ビジネスをする上で時代の流れを読む力は非常に重要なスキルです。そのためには、今売れているもの分析することで消費者の心理や傾向を掴むことが可能になります。
今売り方として注目している最近ブレイク中のでんぱ組.incというグループがあります。このグループはもはやアイドルの領域を超えていて、世の中に星の数ほどあるアイドルグループがある中、売れているのです。
なぜ、彼女たちが売れているのかその時代背景を考慮しながら、でんぱ組incを超読解をしていきます。
理由1:YouTube(MV)動画制作に著名なクリエイターを集め、世界に認知する発信できる媒体で勝負しているから
でんぱ組.incはAKB48などと同様、秋葉原を拠点に活動をはじめたグループです。当然、AKB48という怪物アイドルグループがいる中で同じようにプロモーションをしても反応は落ちます。
まず前提として、既にアイドル飽和時代で若年層の極端に少ない人口。そして、お年寄りが多いこの国で単純に勝負できる市場は非常に少ないです。言ってしまえばパイの奪い合いになっている状態です。
そこで、でんぱ組.incがやっていることはミュージック・ビデオを見ていただければわかるように、YouTube動画やLive演出を日本人じゃなくても興味を持ってもらえるように著名なクリエイターを使用してまで作り上げているところです。
例えば、アニメーターで有名な村上隆さんだったり、写真家で有名な蜷川実花さんだったりするわけです。もちろんこういう一流のクリエイターに依頼すると制作費は相当な金になるでしょう。
しかし、YouTubeは広告費をかけずに世界に発信できることを考えると広告費だと思えば安いものなのです。
理由2:「和」を意識した世界観を発信しているから
冒頭のYouTube動画をご覧いただければ一発でわかると思うのですが、最近になってますますでんぱ組incは「和」を意識していいます。前々回の作品「サクラあっぱれーしょん」も和テイストがかなり出ていました。
参考:→「サクラあっぱれーしょん」のYouTube動画はこちら
これは意識的に国内だけではなく海外へ向けて発信しています。現に、
- アニメ的要素
- 電波ソング
- 忍者
- 桜
- ちょんまげ
- 織田信長
- 龍
- japanese
- などと
というキーワードでJAPANを印象付けさせる世界観が強烈になってきています。
理由3:アイドルの枠を超え劇団的要素が高まってきているから
これまで過去に売れていたハロープロジェクトなど活動歴が長いグループはやはりまだアイドル色の強いものがありました。AKB48も「会いに行けるアイドル」というキャッチがあった程、「アイドル」であることを自分たちが承認していました。
しかし、でんぱ組.incはそのアイドルという枠を超えています。これは、僕はその枠を超えるような才能があったというよりは、アイドルという枠を超えなければ、自分たちが生き残っていけなかったという方が正しいんじゃないかと考えています。
YouTube動画などで日本人以外の外国の方に知ってもらおうと思うと、やはり言葉は通用しません。つまり、見た目や動きの部分で興味を持ってもらわけなればなりません。
そうなると、必然的にオーバーなアクションだったり、特殊メイクだったりを利用することで再生したユーザーを離さないことでが課題になります。

しかし、それで現に、YouTubeの再生回数は300万回を超えていますし、コメントも日本人だけでなく、外国の方のコメントも多くついています。
このハシリというかスタンダートを作ったのはやはりきゃりーぱみゅぱみゅですね。でんぱ組.incのミュージック・ビデオはどうみてもきゃりーぱみゅぱみゅのミュージック・ビデオの影響を受けているとしか思えません。
実際、その奇抜で奇怪なビデオは海外の子供たちに人気で面白い反応をたくさんとっています。
参考:→きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPONを見た子供達の反応」
理由4:異性(男性)に媚びないキャラクターで同性からも支持を得るから
以前のアイドルグループとここ最近のアイドルグループの特徴として違うところは、アイドルというのは男性のものだったのが、性別が関係なく支持されるというのが今の流れです。特にライブはそうです。そして、この流れは、でんぱ組.incにも表れています。
ファン層の流れとしてはだいたい、オタク系男性がイノベーター層として掴むのですが、そのあと少しずつアーリーアダプター層に女性ファンが入ってきます。今、でんぱ組.incはそのレベルですね。
もう少しすると、アーリー・マジョリティ層もファンになってくると思うので、その時にかなり女性ファンが増えてくるはずです。きゃりーぱみゅぱみゅもでんぱ組.incと同じように海外ライブをやるようになって、サウンドも受けいられるようになってくるとそのような現象が起こってきます。
今売れるアイドルは女性にも支持えられないと難しいことがよくわかります。ここには最近の男性の男性性が弱かったり、女性の男性性が強くなったりする時代背景も影響があるでしょう。
理由5:年齢が不詳だったり最上もがのように過去に別名で活動していたような経歴がネット住人を盛り上げるから
でんぱ組.incはかなら若年に見えて実はメンバー全員が推定年齢20代後半であるというところがビックリです。というのもでんぱ組は結成が2008年ですから、既に活動は6年~7年立っているわけです。
つまり結成当時、20歳前後だったとしても確実に20代後半ですが、そういう年齢不詳とか出身地は非公開とか謎めいている要素があるのは、タレント業としては魅了されるので、良いブランディングになる場合があります。
もちろん非公開が上手くいかない場合もありますが。例えば、メンバーの最上もがさんの過去の経歴はネットで話題になっていますし。人は隠していることを察知するとそこを暴こうとする心理が働きます。
しかし、それは逆に言うと気にしてもらえるというきっかけになるのです。プライベートから何から何まで全部オープンにしているようなタレントはネットでも全く相手にされないのです。
ビジネス的まとめ
ネットで情報発信をしている人間は、言ってしまえばインターネット上の小さなコミュニティのタレントでもあります。
一億総タレントと言っていい時代です。つまり、僕らとでんぱ組.incのようなアイドルは全く違う職業のようで、マーケティングやブランディングをするという意味では同じだということです。
その辺を考慮すると売れている人気アイドルグループの分析は楽しくなりますね。以上、でんぱ組.inc超読解でした。
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