
副業サラリーマンの場合、いざ確定申告の時期が来ると憂鬱になります。サクッと終わらせたい確定申告ですが「e-Taxでやると早い」と言うウワサは聞くけど本当に早いのか?と思っている方も多いと思います。
これは結論から言うと申告から納税までは格段に早くなりますが準備に時間がかかります。
しかし、準備さえしておけばいざ確定申告の時期がきたときは90分もあれば税務署に一度も行かずに簡単に終わらせることができますのでサクッと終わらせるために過去に僕がやったことをまとめておきます。
目次
準備1.クラウド会計ソフトを利用して事業用の売上と経費を管理
準備2.「住基カード」と「電子証明書」を同時に役所で取得しておく
準備3.自分のOSとカードに対応するICカードリーダーを手に入れる
準備4.ルート証明書のインストール
準備5:「公的個人認証サービス」を利用するためのクライアントソフトのインストール
準備6:利用者識別番号の取得
手順1.「e-Tax」インストールし利用者登録をする
手順2.申請する書面データをこちらで「新規作成」または「組み込み」を選んでインポートする
手順3:送る前に電子署名をする
手順4:申告・申請を送信する
手順5:電子納税をインターネットバンクで10分で済ます
まとめ
準備1.クラウド会計ソフトを利用して事業用の売上と経費を管理

そもそも確定申告に時間がかかって憂鬱になるのは、日々の経費や売上などの記帳作業を1年間分をその時期に一気にやるからですよね。
最近は、良いクラウド会計ソフトが安く利用できます。クラウド会計ソフトを利用すると銀行口座やクレジットカードをソフトに同期することができて非常に手間が省けます。
「今からじゃ遅いよ」と思うかもしれませんが、来年もあることなので何のソフトも利用していないのであれば僕は「freee(フリー)」をオススメします。非常に感覚的でわかりやすく決算書や申告書mボタン1つで作成できるので確定申告の際に書面が不要です。
準備2.「住基カード」と「電子証明書」を同時に役所で取得しておく

e-Taxを利用して確定申告するためには、「電子証明書(ICカード)」が必要になります。電子証明書は住民基本台帳カードに格納されますので、住基カードを持っていない場合は、「住基カード」と「電子証明書」の2つが必要になります。
住民票のある(納税する地区)市役所で一気に2つとも発行してもらってください。電子証明書というのは実際はカードにデータとして入っているので書面ではありません。
cost
- 住基カード発行手数料:500円
- 電子証明書発行手数料:500円
発行手数料は各500円だったと思います。住基カードは写真ありか無しでも金額が変わったと思うのですが、e-Taxを利用するためだけの場合写真は無しでOKです。
この発行時に4桁の暗証番号を設定するので忘れないようにしてください。
準備3.自分のOSとカードに対応するICカードリーダーを手に入れる

ここは面倒くさいところの1つですが、住基カードから電子証明書を読み取るためのICカードリーダーが必要になります。住基カードによって適合するメーカーが違いますので、そのカードリーダーを買えばいいかどうかは各役所のホームページから確認してください。
ちなみにICチップありの住基カードならNTTコミュニケーションズ 接触型ICカードリーダー・ライター e-Tax Win&Mac対応 SCR3310-NTTComであれば大概利用できるかと思います。Macも対応しています。価格は8,000円以上します。
準備4.ルート証明書のインストール

e-Taxを利用するには指定のルート証明書をインストールをしておく必要があります。全部で下記のように5つ必要です。
Install List
- OfficialStatusCA(政府共用認証局(官職認証局)のルート証明書)
- OfficialStatusCA(政府共用認証局(官職認証局(SHA-2))のルート証明書)
- ApplicationCA(政府共用認証局(アプリケーション認証局)のルート証明書)
- ApplicationCA2 Root(政府共用認証局(アプリケーション認証局2)のルート証明書)
- ApplicationCA2 Sub(政府共用認証局(アプリケーション認証局2)の中間証明書)
の5つが必要にあります。インストール方法はこちらの「ルート証明書とは|e-Tax」から確認してください。windowsの場合はInternetExplorerじゃないとダメだそうです。
準備5:「公的個人認証サービス」を利用するためのクライアントソフトのインストール
「まだ、準備があるのかっ!」とそろそろ思われたかもしれませんが、お国が作るシステムなんていうものはこういうもんなのでしょう。こういうのは民間企業に委任すればいいのにね、と僕は思っています。
という話はおいておいて、住基カードにはいっている電子証明書を利用して行政手続きにかかる電子申請をするためには、公的個人認証サービスというところから専用ソフトをダウンロードしてそれを利用する必要があります。
実際にソフトを動かしてみると・・・

このような利用者ソフトで、ここではじめて自分の電子証明書のデータをカードリーダーを通して確認することができます。このソフトも環境が違うと動かない可能性が出てきますので、推奨している動作環境をしっかりと守ってくださいね。
参照:利用者クライアントソフトのダウンロード : 公的個人認証サービス ポータルサイト
準備6:利用者識別番号の取得
e-Taxを初めて利用する場合は開始届出書を出して「利用者識別番号」というのを取得する必要があります。このe-Taxの開始届出書は書面により届出とオンライン上からの届出の2つがあります。
書面による届出をしていしまうと利用者識別番号が届くだけに何日もかかって確定申告を90分で終わらせることが不可能になってしまうので、絶対にオンライン上から行って即時利用者識別番号を取得してください。
利用者識別番号やパスワードを忘れた場合は再発行がここからできる
16桁の利用者識別番号を取得する時に同時に暗証番号を設定します。
この利用者識別番号と暗証番号が照合しないとe-Taxは使えないのですが、万が一わからなくなったりe-Taxにログインできなくなったりしても、こちらの開始の届出からスタートするとまた利用者識別番号を再発行することができます。
この場合は、以前に利用していた利用者識別番号は使用できなくなるので注意してください。
参照:e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー 【届出書の選択】|e-Tax
手順1.「e-Tax」インストールし利用者登録をする

さあ、準備が終わりました。ここからは早いです。準備6で登録した「利用識別番号」と「暗証番号」を入力して、利用者ファイルを作ります。
税理士さんなどの場合は、顧客(クライアント)の確定申告の代行などをするわけなので、この利用者の一覧がブワーッと増えるわけです。
手順2.申請する書面データをこちらで「新規作成」または「組み込み」を選んでインポートする

僕が以前やったのは会計ソフトから出力したものをこのe-Taxにデータとして組み込むというやり方です。拡張子は、「.xtx」になるのですが、これはおそらくe-Tax用の拡張子で、これに対応している会計ソフトじゃないと組み込みはできないはずです。
ちなみに
- 弥生会計
- freee(フリー)
の2つは決算書や申告書をe-Tax用の拡張子「.xtx」のデータに変換することができます。
エラーがでる場合
組み込みで作業をした場合よく出るエラーが「XML構造チェックエラーです。」というスキーマエラーというヤツです。
これはソフトからエクスポートしたデータが本来必要なXML構造になっていないということですが、どこの箇所がエラーなのかはダイアログで出してくれますので、該当箇所を修正してください。
空白でエラーになる場合などが多々あります。例えば電話番号のところが空白だったらこのスキーマエラーになる場合などがあります。その場合は、「00-0000-0000」などと値を入れることでクリアすることができます。
違うソフトからデーターをインポートするわけですから組み込みは一発では上手くいかないと思っておいた方がいいですね。
手順3:送る前に電子署名をする

署名可能一覧の画面から、1つずつ電子署名を付与していきます。今回はICカードリーダーを利用するので、「ICカードを利用」→「公的個人認証サービス」→「パスワードの入力」と進みます。
あなたの電子証明書の内容が表示されるので間違いがないかどうかを確認し「OK」すると各書面に電子署名を付与することができます。
手順4:申告・申請を送信する

本来、税務署に行って提出する作業がここで一瞬で送信することができます。「手順3」で電子署名したものはもういつで税務署に送信することができます。内容を確認したらあとはポチッとクリックをするだけでもう税務署に提出されます。
これで申告の提出は終了です。
「メッセージボックス」で正常に受け付けられているかどうか確認

e-Taxのソフトには「メッセージボックス」というメールソフトで言うところの「受信箱」のようなものがあります。こちらに正常に送信ができたかどうかが確認できますので、正常にできていない場合は手順に戻って作業をしてください。
手順5:電子納税をインターネットバンクで10分で済ます
そして最後ですが、納税もオンラインで当然できます。電子納税には大きく3つの種類があるそうで、
- ダイレクト納付
- 登録方式による納税手続き
- 入力方式による納税手続き
の3種類あります。僕が実際にやったことがあるのは「3」の入力方式による納税手続きで、要はネットバンキングからペイジーというシステムを使用して入金できるということです。
その入金した内容はe-Taxに連動しているのでネットバンクから入金して納税したらe-Taxのメッセージボックスに「納付完了」の通知がきます。この間約10分もあればできます。
まとめ
「e-Taxが簡単です」と国税は謳っている割には準備は決して楽ではなく面倒なところがありますが、準備さえできれば申告から納税までは本当に90分あれば十分できてしまいます。1度やってしまえば次回はかなりの時間をショートカットできるということです。
また一度、e-Taxで確定申告をした人は今回説明した準備の部分を既に終わらせているはずですので、その人のパソコンを借りさせてもらって、一瞬で申告と納税をやってしまうというのも一つの方法です。
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