この動画では、お客さんが感じる「実質価値」と「感情価値」についてお話をしています。価値には2つあって「実質的価値」と「感情的価値」の2つです。
いろいろ言い方はあるのですが、実質価値は「実質価値」とか「本体価値」とか「機能価値」とか「機能的価値」とか、どれも同じ意味です。
ここではビジネスでお客様に提供するための価値について2つ区分していますが、物事の多くはこの「機能(実質)」と「感情」に別けて考えることができます。ここでは解説しませんがブランドなんかも結局はこの2つの役割があるのです。
実質価値、感情価値とは?
実質価値とは、言葉通り実質的な役割を果たす価値のことです。
- 質
- 量
- 機能
など、その商品の本体が持っている価値と言えます。例えば、釘抜き付きのハンマーをちょっと想像してみてください。本来、金槌として使うことができればいいのですが、反対側に釘を抜く機能があると、柄を反転させればそのまま釘を抜くことができます。
これは、たった1本で「金槌」と「釘抜き」2つの機能を兼ね備えているという実質価値です。
一方で、感情価値とは、商品本体の機能的役割以外の部分でお客さんが感じる価値です。
- 希少性
- 優越感
- 安心
- 共感
- 好意
など、言葉通り、そこにはお客さん個人の感情によって価値を感じているものです。これも例を出してみると、昔『たまごっち』という携帯ゲーム機が流行りました。
未だ携帯電話を誰もが持つような時代ではない頃で、テレビで当時の時代の寵児でもあった安室奈美恵が音楽番組で紹介したこともあり、たまごっちは瞬く間にブームになりました。
この時、だまごっちの通常販売価格は、5000円前後であるにもかかわらず、カラーが白色のたまごっちは1個10万円以上で販売されていました。それでも、いろんな目的で10万円以上のたまごっちを買う人がいたのです。
はい、当時の白色の『たまごっちに』はかなり多くの感情価値が含まれています。それは、
- たまごっちは、自分が大ファンの安室奈美恵も使っている
- たまごっちは、みんなが持っている
- たまごっちは、持っているだけで友達に羨ましがられる
- たまごっちは、テレビで話題もなり流行りである
- たまごっちは、白色が一番可愛くて人気である
など、これらすべてが感情価値になります。たまごっちの実質価値は携帯用小型ゲーム機としての機能を果たしているだけに過ぎません。実際、当時は他にも携帯用小型ゲーム機が流行っていてテトリスなどもたまごっちと同じように通常販売価格は5000円でした。
しかし、この機能的な価値以外に上記の感情価値が付加されたために10万円という高額な金額で販売されるまで価値が高騰したのです。
早くビジネスで成功するには感情価値を上げていく
僕らがビジネスをする時に、必ずやっていくべきことは感情価値を上げていくことです。提供する商品の、実質価値よりも感情価値を上げていく方があなたのビジネスは加速します。
なぜ、実質価値ではなくて感情価値を上げていく方がいいのか?
では、なぜ商品の本体の役割を果たす実質価値を上げるのではなくて、感情価値を上げていく方がいいのか?
それは、実質価値を上げようとすると莫大なコストがかかるからです。さっきお話したように、実質価値を上げようとすると、商品の「質」「量」「機能」を上げていかなければなりません。
人件費、商品開発費そして時間というコストが必要になります。例えば、オンラインの英会話サービスのビジネスをしているとします。実質価値を上げるというのは、
Example
- DVD講座の画質を高画質にする
- ヒアリングCDの収録時間を倍にする
- スカイプで外国人とのフリートークできる機会が週1回から週3回に増やす
ということです。これらは英会話サービスという商品自体の実質価値を上げています。「1」のいDVDを高画質にするというのは容量が大きくなるということなので、イコール1枚のDVDのコストが高くなります。
これまで1枚で済んだところが、2枚になったり、ブルーレイディスクにする必要が出てくるかもしれません。「2」のCDの収録時間を増やすというのも量を増やすという意味で同じですよね。
「3」の外国人とのフリートークができる機会が増えることはお客さんにとっては嬉しいことで、実質価値になります。しかし、事業側としてはそれだけ外国人スタッフを用意してシフトを組んでいくと人件費がかかります。
このように、実質価値を上げようとすると時間とお金が大きくかかってしまうのです。
わざと店舗の前に行列を作らせるラーメン屋
感情価値を上げる例としては、ラーメン屋でわざと店舗の前に行列を作らせているところは正にそうですね。
行列があることで、「ここのお店は人気なんだな」と思わせる希少価値が高まり、人気のラーメン屋に並んで食べたという優越感という感情価値が非常に高まります。
よく新しくできた話題の観光地などに行って、「3時間も並んだよ~」とか言う人がいますが、そう言っている割に愚痴ではなくて満足している表情なのは3時間待たないと入れない行列に並んでやっと入れたことに対する感情価値を感じているからなのです。
行列を作るラーメン屋さんは、お店の内装を改装して、客席を増やすようなことなどは絶対にしません。それはお店から溢れ出るお客の行列を演出したいからです。
ラーメン屋1つをとっても実質価値を上げるよりも、感情価値を上げる方が費用対効果が高いのです。
ダサいが無難にモテるようになる男性向けメンズファッション通販
感情価値たっぷりの男性向けファッションの通販といえば、これじゃないでしょうか。もともとあまりファッションに関心のなかった代表者が、モテを定義を再構築しなおしたファッション通販サイトです。
ここのアパレル通販は、「派手な服を着ればモテる=抵抗があってそんなの着ることができない」という以前まで非モテ(造語)だった方が、「派手じゃなくてもモテる服があるんだよ」と提示することによって人気の通販サイトになっています。
この通販サイトを見ればわかると思うのですが、服の素材や服の機能性は高いわけではないと思います。仕入れもできるだけ安く抑えているでしょう。しかし、モデルの使い方や「無難モテ」というコンセプトを掲げたりすることによって、大きな付加価値を付けられています。
メンズファッション通販という強豪のひしめく中、他社とは違う価値を上手く生み出したネット通販ビジネスだと思います。
(参考:男性服の通販サイト『メンズファッションプラス』http://mensfashion.cc/)
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