「格差社会」という言葉が拡がりだしてからと同時に勝ち組と負け組という言葉も出現するようになりました。そもそも勝ち組って何?負け組って何よと思うかもしれませんが、これは何を基準にしているのでしょうか?
その答えは簡単です。給料や年収。つまりお金です。
これまでは一億総中流社会と言って日本人全員が学校に行き大学へ行って企業へ就職し、給料をもらってボーナス(賞与)をもらってある程度のモノを買って家族を作って暮らしていくということを多くの人がやっていました。皆同じだったのです。
それが今はその決まったレールの上を歩けるような時代ではなくなり、負けている人はとことん負け、勝っている人はとことん勝つ。そういう差がどんどんついていっています。これをわかりやすく指標にすると給料や年収になります。
給料や年収で勝ち組や負け組に分類できるのか?
給料や年収で勝ち組や負け組と判断できるのか?という疑問もあると思いますが、これはできます。というより、基準は給料や年収でしか測ることができないと言っていいでしょう。
数値がしやすくわかりやすいからです。もちろん仕事には「やり甲斐」というところも当然あるでしょうが、そういうものは数値化することができません。
なので、マスコミやメディアも「勝ち組」や「負け組」と言った言葉を人の気をひきやすい収入でランキングしているのです。
給料の年収「勝ち組」「負け組」ランキング
順位 | 最高額と最低額の職種 | 格差 |
---|---|---|
1位 運輸・運送業 | パイロット1160万円 VS ツアーコンダクター230万円 | 5.0倍 |
2位 医療・介護業 | 医師1072万円 VS 訪問介護員289万円 | 3.7倍 |
3位 教育業界 | 大学教授1077万円 VS 保育士310万円 | 3.5倍 |
4位 金融・不動産業界 | 投資顧問966万円 VS 金融事務339万円 | 2.8倍 |
5位 飲食業界 | ホテルのシェフ506万円 VS 和菓子職人219万円 | 2.3倍 |
6位 建築業界 | 一級建築士677万円 VS 鉄筋工294万円 | 2.3倍 |
7位 販売/接客・サービス職業界 | ホテル従業員506万円 VS スーパーレジ係247万円 | 2.0倍 |
8位 モノ作り業界 | 自動車メーカー社員688万円 VS 重電機器組立工369万円 | 1.9倍 |
9位 営業職 | MR683万円 VS 小売り・外食系営業383万円 | 1.8倍 |
10位 コンピュータ関係 | ITコンサルタント643万円 VS ヘルプデスク・オペレーター433万円 | 1.5倍 |
出典:『日本人の給料大辞典』より一部引用
給料の年収が高い「勝ち組」も実は負けていることに気付いていない
上記の表は「給料の年収」に関しての「勝ち組」「負け組」を表しています。日本人はこういうのを見て、自分が左の方の勝ち組の給料をもらっていれば安心するような人が多いと思います。
そして各業界の勝ち組とされている人たちは人よりも努力家だし自分の市場価値を知ってヘッドハンティングしてもらおうと頑張る人たちです。
しかし、ここに落とし穴があります。
給料をもらう勝ち組の人のやることというのは、自分の足りないところを補おうとします。現に、こういうキャリアコンサルティングのような人というのは、
まず自分に足りないスキルや資格を身に付けましょう
というようなアドバイスをします。
しかし、そのスキルを身に付けてやることというのは結局ヘッドハンティングを期待したりして雇われることが前提なのです。じゃあ、その雇う人はなぜその人を雇うのでしょうか?
それは、自分の今必要なスキルや能力が欲しいからです。気づきましたでしょうか?
雇われる人は常に雇われることを前提とした動きをして、雇う人は他人の力を上手く使うことを前提に常にそういう動きをしているのです。
つまり、給料をもらって働く職種の「勝ち組」も「負け組」も実は両方とも本質的には対して変わらないということなのです。五十歩百歩だということですね。
photo by Taichiro Ueki
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