この動画では「社会的証明の原理」について解説しています。
お客さんは商品の価値を自分で判断できない
ネットビジネスの場合はセールスレターを書いて商品を売ることが多くなりますが、僕自身も自分で商品を売るようになって大きな気付きがありました。それは、「お客さんは商品の価値を自分で判断できない」ということです。
それは、お客さんをバカにしているとかそういうことではありません。僕らも常に消費者で買う側ですから同じことが言えるのです。もちろん、例えば一眼レフカメラについて超詳しくて、「一眼レフについては任しておけ」というぐらいのレベルであれば、一眼レフカメラを購入する時は自分の価値基準で判断できるでしょう。
しかし、ほとんどのお客さんはどの一眼レフカメラを買えばなんか自分ではわからないわけです。その時に判断するのは、
- 価格
- 第3者の声
の2つです。この2には共通することがあります。
それは他者基準だということです。自分の基準ではないのです。
そもそも価格はお客さん自身が決めたものではありません。売り手側の基準で決めているものです。つまり、商品価格が100,000円だと提示されている場合、他者基準で100,000円と決められているので、価格が高ければ高い程価値があるのではないかと錯覚するのです。
宝石屋の宝石の価格は間違えて2倍にして陳列したら・・・
これは社会心理学の本として有名な影響力の武器に載せられている例なのですが、ある宝石屋で売れなくて困っているトルコ石をどうしようかといろいろセールスの方法を試していました。
しかし、全くお客さんは反応せずに、イライラし始めた店主は従業員に
その陳列ケースの品は、全部価格に1/2を掛けておいて!
(引用:『影響力の武器』P.3)
と殴り書きのメモを置いて伝えていました。数日後、驚いたことに今まで全く売れなかったトルコ石がすべて2倍の価格で完売したのです。
これまで、セールストリックを使ってみたりトルコ石を陳列している棚を目立つところに置いてみたりしても全く売れなかったのに、価格を間違って2倍にした瞬間に売れたのです。
これは、お客さんが他者基準で価値を判断していると言える良い例です。宝石の価格を2倍にした瞬間にお客さんはこれは「価値があるんだ」と思ったのです。
もし、宝石自体の価値を自分で判定できる基準があれば倍額にする前の価格で売れていたはずなのです。このような他者の価値に影響されて行動が促されることを「社会的証明の原理」と呼びます。
コピーライティングだけでなくビジネスにおいて全般に使えますので知っておくべき原理です。
バラエティ番組の笑いの声=第3者の声
他者基準で判断する要素のもう1つは、『第3者の声』です。バラエティ番組を見ていると、明らかに後から足した笑い声を入れて編集をしているのがわかる番組がよくあります。
もちろん視聴者も気づいている人は多くいます。そして、演者であるタレントも音声の笑いを入れたことを嫌っている人も多くいるのが事実です。にもかかわらず、番組プロデューサーやディレクターは最終的に番組の編集に音声の笑いを足すのです。
なぜでしょうか?
これこそ、第3者の声を利用した社会的証明の原理が働いているのです。
バラエティ番組制作の場合、ビジネスの「お客さんは商品の価値を自分で判断できない」を「視聴者は番組の笑い所を自分で判断できない」に言い換えることができます。
テレビ番組は視聴率がすべてで、その数字によってスポンサーが付くかどうかが大きく左右します。ですので、腕のあるプロデューサーやディレクター程、番組の質は理解しているけどどうしても音声の笑いを足す方ことを選ぶのです。
有能な彼らは、音声の笑いを入れた方が社会的証明の原理が働き視聴率が高くなることを学術研究などの結果から知っているのです。
この録音笑いに関しても影響力の武器で一部例がありますので、参考にしてみてください。
空っぽの募金箱と既入っている募金箱の例
もう1つ「第3者の声」による身近な社会的証明の原理の例をだします。上図のようにAとBの募金箱があったとします。動画でも解説しているように、AとBどちらの募金箱に多く募金されるかというとその答えはAの募金箱です。
Aの募金箱は既に10円玉とか100円玉とかの高価がたくさん入ってるので、「あー他の人も募金をしているんだな。じゃあワタシも入れよっかな」と思います。ですので、コンビニなどに置いてある募金箱は無色透明であることが多いです。
社会的証明の原理のまとめ
私たちは他人が何を正しいと考えているかにもとづいて物事が正しいかどうかを判断する
この原理が強く働くためにお客さんは、自分の価値基準でなく、他者基準で購買を決定。
そしてその基準とは、「価格」と「第3者の声」によって決定されている割合が多いということ。
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